〜「何から手をつければいいかわからない」を防ぐ基本ガイド 〜
親や配偶者が亡くなり、相続が発生したとき、比較的トラブルになりやすいのが「不動産」です。
預貯金と違い、不動産は
- 分けにくい
- 手続きが複雑
- 名義変更をしないと売れない
という特徴があります。
この記事では、「不動産の相続で最初に知っておくべき全体像」を、順を追って解説します。
不動産の相続は「自動では起きない」
まず大事なポイントです。
❌ 親が亡くなったら、自動的に子どもの名義になる
⭕ 相続手続きをしなければ、名義は一生そのまま
不動産は、被相続人(亡くなった方)名義のままでも住み続けることはできますが、
- 売る
- 貸す
- 建て替える
- 担保に入れる
といったことは原則できません。
不動産相続の全体の流れ(まずはここを把握)
細かい話の前に、全体像を押さえましょう。
不動産相続の基本ステップ
- 相続人を確定する
- 遺言書の有無を確認
- 不動産を「誰が相続するか」決める
- 必要書類を集める
- 相続登記(名義変更)をする
▶︎▶︎ この5.相続登記(名義変更)が、いわゆる「不動産の相続手続き」です。
① 誰が相続人になるのか?
民法で、相続人は次のように決まっています。
- 配偶者:常に相続人
- 子ども:第一順位
- 子がいない場合 → 親
- 親もいない場合 → 兄弟姉妹
▶︎▶︎ 誰が相続人かを確定しないと、不動産は動かせません。
② 遺言書があるかどうかで、すべてが変わる
遺言書がある場合
- 原則として、遺言書の内容が最優先
- 「長男に自宅を相続させる」など指定できる
遺言書がない場合
- 相続人全員で話し合い(遺産分割協議)が必要
- 全員の合意がなければ不動産は決まらない
▶︎▶︎ これが、相続トラブルの最大の原因です。
③ 不動産は「どうやって分ける」のか?
現金と違い、不動産は簡単に分けられません。
主な方法は次の4つです。
1️⃣ 現物分割
- 一人がそのまま不動産を相続
- 最もシンプル
2️⃣ 代償分割
- 一人が不動産を相続し、他の相続人に現金を支払う
3️⃣ 換価分割
- 不動産を売却し、売却代金を分ける
4️⃣ 共有名義
- 相続人全員で共有
▶︎▶︎ 共有名義は後々トラブルになりやすいため、できるだけ避けたほうがよいとされています。
④ 相続登記は「義務」になった
2024年4月から、相続登記は義務化されました。
ポイント
- 相続を知った日から 3年以内
- 正当な理由なく放置すると 過料(罰金)の可能性
▶︎▶︎「とりあえずそのまま住んでいるから大丈夫」は通用しなくなっています。
⑤ 相続登記に必要な主な書類
代表的なものは以下です。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍
- 相続人全員の戸籍
- 住民票(相続人)
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書(遺言がない場合)
▶︎▶︎ 集めるのに時間と手間がかかるのが実情です。
不動産相続でよくある失敗
❌ 名義変更を後回しにした
❌ 共有名義にしたまま放置
❌ 相続人の一人が亡くなり、相続関係が複雑化
❌ 売ろうとしたら全員の同意が必要になった
▶︎▶︎ 「早めに決めて、早めに登記」が最大の防御策です。
生前にできる、いちばん効果の高い対策
相続対策で最も効くのは、以下の2つです。
- 不動産を誰に相続させたいか決める
- 遺言書で明確に指定する
これだけで、
- 相続人同士の話し合い
- 感情的な対立
- 長期化
を大幅に防げます。
まとめ
- 不動産の相続は「自動では起きない」
- 誰が相続人か、誰が相続するかを決める必要がある
- 相続登記は義務化され、放置できない
- 生前の遺言書が最大のトラブル防止策
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