【覆面座談会②】「親の介護、自分の老後、そして仕事」50代後半男性が本音で語る“人生後半戦”の悩み

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覆面座談会企画の第2回。
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【覆面座談会①】「俺たち、これからどう生きる?」50代後半男性による覆面座談会

今回は50代後半の男性3人に集まっていただき、「これから先の生き方」について決めていること、迷っていること、悩んでいること等を率直に語ってもらいました。
※プライバシー保護のため一部内容を調整しています。

参加者プロフィール

Aさん(58歳)
20年以上勤務したシステム開発の会社で役員を務めた後、昨年役員を退任。
現在はエンジニアとして勤務を継続している。給与は減少したものの、大学生の子どもの卒業までは働く予定。九州に住む父親は一人暮らし。将来的には実家への移住も検討中。

Bさん(57歳)
大手メーカー勤務のエンジニア。
現在は、役職もはずれ、現場担当として働きながら、大学院にも通って知識や人脈を広げている。
副業として小さなセキュリティコンサルティング会社も経営している。独身。

Cさん(57歳)
昨年、勤務先ベンチャー企業の業績悪化により会社都合退職。現在求職活動中。
先日父親が倒れて入院。介護問題に直面している。
妻との関係も悪化し、先行きに不安を抱えている。

司会:my lifenote 編集部

「自分の老後」よりも先に「親の老後」がやってきた

司会
本日はよろしくお願いします。今回覆面座談会の第2回企画となります。
今回のテーマはこれからの生き方や、親の介護や終活についてみなさんが直面している問題や悩みなどについて伺いたいと思います。
まず、第1回座談会にもご参加いただいたCさんが、現在、親御さんの介護の真っ最中とお伺いしました。親の介護について、みなさんいつ頃から意識されましたか。

Cさん
ご指名いただいたので、まずは現在進行形の私から。
私は完全に事後ですね。父が倒れるまでは、正直どこか他人事でした。
でも救急車で運ばれて病院から連絡が来た瞬間、
「(退院後)実家で看病(介護)するなら仕事をしていない自分がやるしかない」
と思い、実家に戻る選択肢さえも頭をよぎりました。

Aさん
うちの父も80代後半で一人暮らしです。
今は元気なんですが、電話が繋がらないだけで少し心配になる。
最近は仕事よりも親の方が気になります。

Bさん
私の場合はまだ親が健在なのですが、大学院で高齢社会の研究をされている方と話す機会がある中でよく耳にするのが、当然かもしれませんが、準備している人と、何も考えていない人では、実際にその時が来た際の対応だけでなく、その後の対応オプションの充実度が全く違うということです。

「介護は突然始まる」が本当だった

司会 
Cさんはまさに今その状況とのことですが。

Cさん
はい。父は倒れる前日まで普通に生活していました。
だから突然倒れたという連絡を受けてパニックして対応している間に、父の意識が戻って退院が視野に入り、
退院後の介護体制の準備をしています。
ここまでは本当に突然きたという感じです。準備期間なんてありませんでした。

Aさん
よく聞きますね。転倒とか脳梗塞とか。昨日まで普通だった人が急に介護状態になる。

Cさん
しかも、その時に仕事がない状態だったので。
転職活動もしなきゃいけない。介護も考えなきゃいけない。かなり追い詰められています。

介護費用はどこまで親のお金で賄うべきか

司会
現実的な問題として、病院の費用や今後の介護費用についてはどう考えていますか?

Cさん
そこが一番悩みです。父には多少の預金があるはずです。意識が戻ったと言っても、会話ができる状態ではないのと、もともとお金が減るような話をするとすごく嫌がる人なので、今後会話できる状態に回復したとしても、聞きづらい・・・・。
かといって立て替えるにも、今後どれだけお金がかかるのか見えない。
施設に入るのか。自宅に戻るのか。

Aさん
私は基本的に、「親の介護費用はまず親の貯蓄で」と思っています。
もちろん足りなければ支援しますけど。
そういう優先順位で考えています。自分たちの老後資金もありますから。
ですから、全部ではありませんが、一部の銀行口座の情報は親から聞いています。

Bさん
同感です。
親のお金を使うことに罪悪感を感じる人もいますが、本来は親自身の生活のためのお金ですからね。
むしろ子ども世代が自分の老後資金を削ってしまうのは、親も喜ばないのではと思ったりします。

Aさん
そのためには、親の資産状況を把握しておくことも大事ですよね。
どの銀行に口座があるのか。通帳がどこにあるのか。保険はあるのか。
そういうことを話せるうちに確認しておく必要がありますよね。
まあ、なかなか話しづらい話題ですが。

実家をどうする問題①親が施設に入ったら、実家はどうなる?

司会
親御さんの介護を考えると、「実家をどうするか」も避けられない問題かと思います。
特に最近は、親が施設に入ったことで実家が空き家になるケースも増えていて、それに伴う空き家の火事や、空き家への不法侵入なども問題視されているようです。

Cさん
自分は、まさに今その問題に直面している状況です。
父が退院できても、一人暮らしに戻れる確率はほぼゼロ。
もし施設に入ることになったら、山梨の実家は空き家になります。

Aさん
うちも将来的には同じです。父はまだ一人で暮らしていますが、何かあれば施設も選択肢になる。
そうすると実家が残る。そこら辺がうっすらと頭の中にあって、実家へ戻ることを考えています。

Bさん
実は親が亡くなる前の方が難しいケースもありますよね。
家は親の所有物だから、子どもが勝手に売却することはできない。

Cさん
そうなんですよ。
空き家になったら売ればいいと思っていたんですが、親が生きている以上はそう簡単じゃない。

Aさん
しかも空き家といっても維持費はかかる。
固定資産税もあるし、庭木も伸びる。
台風で何か飛んだら近所に迷惑をかけるかもしれない。

Bさん
だから最近は、「親が元気なうちにどうするか決める」ことが重要だと言われていますね。

司会
例えばどんな選択肢がありますか?

Bさん
ざっくりですが、
・そのまま維持する
・賃貸に出す
・売却する
・子どもが戻って住む
のどれかだと思います。

Aさん
私は最後のパターンですね。
九州に戻る選択肢があります。
ただ妻の仕事や生活もあるので簡単ではない。

Cさん
私は戻る予定はないので、施設入居になったら賃貸や売却も考えると思います。
ただ父がどう思うかですね。
家への思い入れがすごく強いので、拒否される可能性が高いと思います。

実家をどうする問題②相続した後、実家は本当に残すべき?

司会
では親御さんが亡くなり、実家を相続した後についてはどうでしょう。

Cさん
相続しても住む予定はありません。
でも売るとなると、なんとなく罪悪感があります。

Aさん
ありますよね。自分が育った家ですから。

Bさん
でも感情だけで残すと大変です。誰も住まない家を10年、20年維持するのはかなり負担になる。
その覚悟と経済的余裕があるかという問題もあります。

Aさん
私の知人にもいます。「思い出があるから」と残したけれど、年に一度程度しか行かない。
草刈り代や修繕費だけがかかる。

Cさん
実家って資産だと思っていましたが、場所によっては負債になることもありますね。
地方の一軒家だと・・・

Bさん
地方だと買い手が見つからないケースもある。
だから親が元気なうちから、「相続した後どうするか」まで話しておいた方がいいんでしょうね。

Aさん
親からすると寂しい話かもしれませんね。
でも子どもに迷惑をかけたくないと思っている親も多い。

Cさん
父が会話できる状態まで回復したら聞いてみようと思います。
家については、メンテナンスが行き届いているので子供に住んで欲しいと思っているんだろうなと。
それからお墓をどう考えているのか。山の上の、まあまあ不便な場所にありますから。

こういう話、今までは、自分の方が避けていました。

Bさん
結局、終活って財産の話というより、「家族に判断を丸投げしないための準備」なんですよね。

司会
実家問題も、「相続してから考える」ではなく、「親が元気なうちから話しておく」ことが重要なのかもしれません。

これからのお墓のあり方

司会
ちょうどCさんから出ましたが、お墓についてはどう考えていますか?

Bさん
私はかなり合理的な考え方です。お墓の場所は非常に遠い上不便な場所にあり、
私の後は継ぐ人もいませんし、永代供養で十分だと思っています。

Aさん
うちも子どもに負担を残したくないですね。
自分たちが守ってきたものを次世代も守るべき、という時代ではなくなっている気がします。

Cさん
父の代まではお墓が当たり前だったんですが。自分の代では、社会や自分の価値観が変わってきている。
これも親と話しておくべきなんでしょうね。

「自分の終活」はいつ始めるべきか

司会
皆さん自身の終活についてはどうでしょう。まだ早いかとは思いますが・・・。

Aさん
私は役員を退任してから少し考えるようになりました。
時々ですが、手始めに妻と話をしています。

Bさん
私は逆にまだまだやりたいことが多いですね。
大学院で出会う、他の会社から来ている同年代の学生さんとの会話から非常に心地良い刺激を受けているので。
会社経営もそうです。

ただ、だからこそ整理は始めています。
資産一覧表を作ったり、契約関係をまとめてファイルしたり、あとはパスワード管理ですね。
こういうものは終活という文脈にとらわれず、常に残しておくようにしています。

Cさん
私は今回の父の件で初めて考えました。何も残していないと家族が本当に困るんだなと。

Aさん
終活って「死ぬ準備」ではなくて、残された人が困らないための準備なんだと思います。

「人生後半戦」をどう生きるか

司会
最後になりますが、人生100年といわれる現代、みなさんの人生後半戦について聞かせてください。

Aさん
私は子どもの卒業までは働くつもりです。
読者の方にはがっかりされてしまうかもしれませんが、私は野心もありませんし、なんとなくこのまま定年までの残り2年が過ぎていくのを待つという心持ちです。その後は九州に戻るかもしれません。
出世競争も終わりましたし、かなり疲れました。
楽しみたい趣味があるわけではありませんが、定年後は九州の実家に移り住んで、東京のマンションを売却したお金で余生を過ごすイメージでいます。

Bさん
私はまだまだ挑戦したいですね。
年齢を理由に縮こまりたくない。知識も人脈が増えるにつれ、色々な選択肢が目の前に見えてきています。
60代になってもまだまだ学び続けたいし、経済活動や社会活動にも従事したいと思っています。

Cさん
自分の場合は、正直、今は先が見えません。
就職活動も介護もありますし。
でも今日の話を聞いていて思ったのは、親の介護も自分のこれからの生き方も「いつか」ではなくて「今」考えるべきことなんだなと。

Aさん
みんな、自分の老後を心配するんですけど。
実際にはその前に親の老後が来るんですよね。

Bさん
そして親の終活や介護を経験して初めて、自分の終活を考え始める。
たぶん多くの人がそうなんだと思います。

編集後記

50代後半は、「自分の老後」と「親の老後」が重なる年代です。

自身の仕事に対する立ち位置が少しずつ変わり始めると同時に、親の介護や実家の管理、お墓の問題など、これまで先送りにしてきた課題が現実のものになります。

今回の座談会で印象的だったのは、自身の生き方については見事なまでに3者3様だったことです。
そして親の介護や終活準備については、みなさん「答え」を持たずに手探りの様子でした。

介護も終活も、必要になってからでは選択肢が限られます。
親が元気な今こそ。
そして自分自身が元気な今こそ。
家族と将来について話し合うタイミングなのかもしれません。

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