今回のお悩み
52歳・男性・会社員(経理部門)
はじめまして。私は中堅企業の経理部門で担当職として働いています。
5年前に管理職を離れて以降、担当職として専門業務を担当しています。
主な職務は経理業務ですが、税制改正や会計基準の変更への対応や、DX化やシステム導入による部門の業務改善にも自ら取り組んできました。
ところが、ここ数年の人事評価ではほとんど評価されません。
年2回の評価面談でも評価は横ばいで、昇給も昇格もありません。
同じ経理業務を担当している30代の社員がいますが、業務の質や成果に大きな差があるとは思えません。しかし、その社員は評価され、昇格することになりました。
先日上司(年下です)に自分の評価について聞いたところ、
「僕は個人的にはあなたを評価しているよ。ただ、あなたは若手より経験も長いし給与も高い。もっとできて当然だと会社は思っています。」と言われました。
「給与が高い」とのことでしたが、会社が公開している部門ごとの平均給与額を見ると、私の給与は決して高くなく、むしろ平均額より下のレンジです。
頑張っても評価されず、かといって大きな失敗をしているわけでもないのに評価されない理由がわからず、今後、自分が取り組むべき努力の方向性が掴めなくて悩んでいます。
こんな状況で、会社の中で、自分はどのように振る舞えばよいのか苦しく感じています。
回答:「あなたの価値をどう発揮するか」戦い方を変えてみましょう
まずお伝えしたいのは、あなたの感じているモヤモヤは決して珍しいものではありません。
50代になると、「努力しても評価が上がらない」という壁にぶつかる人が少なくないようです。
特に専門職や担当職の場合、
- 新しい知識を学びつづけ自分なりのアップデートを怠らない
- ミスなく仕事をこなす
- 周囲と協力し、時には頼られる
こうしたことを続けていても、人事評価でプラス評価は反映されないケースがあります。
その理由は、多くの企業で評価の基準が「成果」だけではなく、「将来への期待」も含まれている場合があるからです。
30代の社員が評価される背景には、「今後さらに成長し、より大きな役割を担う可能性」への期待が含まれていることがあります。
一方で50代社員は、これまで積み上げてきた経験や専門性を前提として見られるため、同じように努力を重ねていても評価の変化が見えにくくなることがあります。
問題は、そこで何が評価されているのかが本人に十分伝わっていない場合が少なくないことです。
例えば本人は専門知識のアップデートや業務品質の向上に力を入れている一方で、会社は若手育成や業務改善への貢献を期待しているかもしれません。
逆に、会社は実務能力を高く評価しているつもりでも、それが本人には伝わっていないこともあります。
その結果、「何を目指せば評価されるのか分からない」という状態に陥ってしまいます。
理不尽さを感じる背景には、評価そのものよりも、評価基準や期待される役割が見えにくいという問題が隠れていることが少なくありません。
本当に辛いのは「存在価値」が認められないこと
相談文を拝見する限り、あなたが苦しいのは評価点が低さや昇給がないことそのものばかりではないように感じます。
むしろ、
「自分はまだ成長しているのに認めてもらえない」
「頑張っても意味がないのではないか」
という気持ちなのではないでしょうか。
50代になると、評価されて昇給や昇格しないこと以上に、「自分は組織に必要とされているのか」という問いの方が重くのしかかります。
若い頃は評価が上がれば未来への期待を感じられました。
しかし50代になると、評価されない=もう期待されていないと感じやすくなります。
そのため、人事評価の結果以上に心が傷ついてしまうのです。
上司の言葉に隠れているメッセージ
上司の「もっとできて当然」という言葉は厳しく聞こえます。
「何が」「どのくらい」できるのが上司や組織の期待値なのかが非常にわかりにくい回答です。
ただ、その言葉の裏には、「業務をこなすだけでは評価しにくい」という意味が含まれている可能性があります。
企業が50代社員に期待する内容は、業務知識や実務能力だけではなく、若手育成、業務改善等の組織への貢献、属人化の解消へと変化していきます。
言い換えると、本人は専門性を高めて期待に応えているつもりでも、会社側は別の役割を期待していることがあります。本来、目標設定時に上司から部下に擦り合わせることです。
組織の中での動き方・あり方を考えると・・・
まず、人事評価だけを人生の評価だと思わないことです。
評価制度は会社ごとのルールに過ぎません。
そして50代は、
「評価を上げる戦い」から「自分の価値をどこで発揮するかを考える」方向へ戦い方が変わる(発揮するバリューを変える)年代でもあります。
例えば、
- 若手が困った時に相談される存在になる
- 業務マニュアルを整備したりナレッジをシェアする仕組みを作る
- 属人化している業務を自動化するなどで業務全体の効率化を図る
- 他部署との橋渡し役になる
こうした貢献は必ずしも評価シートには表れません。
しかし組織の中での存在感は高まります。
また、社外にも目を向けてみましょう。
今の会社で評価されなくても、あなたの経験や専門知識を必要とする場所があるかもしれません。
副業、資格活用、シニア向け転職、顧問業務など、選択肢は以前より増えています。
心の相談室 スタッフより
50代になると、「もう会社から期待されていない気がする」という悩み相談はよく耳にします。
実際、自分も前職で同様の思いをしてきました。
評価されないような状態が続くと、自信まで失ってしまいそうになります。
しかし、人事評価は単なる会社の制度であり、あなた自身の価値そのものを測るものではありません。
もし今の会社で評価が変わらないとしても、
これまで積み上げてきたあなたの経験や専門性が消えるわけではありません。
「会社からどう見られるか」という他人軸は一旦横において、「自分はこれから何を大切にして働きたいのか」という自分軸で考える様にしてみてはいかがでしょうか。
