「65歳まで働ける」は安心ではない
「うちは65歳まで働けるから大丈夫です。」
50代後半の方から、よく聞く言葉です。
たしかに現在、企業には65歳までの雇用確保が義務付けられています。
(出典:厚生労働省「高年齢者雇用安定法」)
しかし、“働ける”と“安心できる”は、まったく別の話です。
落とし穴① 年収は想像以上に下がる覚悟で
多くの企業では、
・60歳で定年
・その後は嘱託・契約社員として再雇用
という形を取っています。
役職は外れ、賞与は減り、給与体系も変わる。
企業規模や業種によりますが、
年収が2〜4割下がるケースは珍しくありません。
現役時代800万円→ 再雇用で500万円前後
この水準も珍しくありません。
一方で、「支出はそれほど簡単には下がらない」という課題も。
落とし穴② 仕事内容が変わる覚悟で
再雇用後は、
- 管理職 → 補助業務
- 意思決定 → サポート業務
- 部下だった人が上司
という立場変化も起こります。
収入減よりも、心理的ダメージの方が大きい
という声も少なくありません。
落とし穴③ 「いつでも辞められる」は錯覚
再雇用は「選択肢」のように見えます。
しかし実際は、
- 住宅ローン残債
- 教育費
- 生活水準維持
- 年金受給開始前の空白期間
これらがあると、辞めにくい状態になります。
再雇用は「安心装置」ではなく、収入をつなぐ“橋”にすぎません。
落とし穴④ 制度はあるが、条件は会社次第
法律上は65歳までの雇用確保義務がありますが、
- 給与水準
- 業務内容
- 勤務日数
は企業裁量が大きい。
つまり、同じ再雇用でも“中身”は会社ごとに違うのです。
データが示す現実
内閣府『令和6年版 高齢社会白書』(出典:総務省「労働力調査」)によると、
- 60〜64歳男性の非正規雇用比率は約44%
- 65〜69歳では約67%
60歳を境に、雇用形態は大きく変わります。
再雇用は多数派ですが、
正社員の延長ではありません。
本当の対策は何か
再雇用の落とし穴を避けるには、
✔ 60歳以降の年収を具体的に試算する
✔ 支出を事前に見直す
✔ 副収入の可能性を探る
✔ 資産の取り崩し計画を立てる
“制度があるから大丈夫”ではなく、冷静に数字で設計することが必要です。
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