いつまでに何をやる?時系列でわかる段取りと注意点
相続が発生したとき、
多くの人が最初に直面するのが 銀行預金の手続きです。
「とりあえずお金は引き出せるのでは?」
と思われがちですが、実際はそう簡単ではありません。
銀行預金の相続は、
- 期限があるもの
- 期限はないが早めにやるべきもの
- 後回しにすると面倒になるもの
が混在しています。
この記事では、
相続発生から預金を受け取るまでの流れを時系列で整理し、多くの人がつまずくポイントもあわせて解説します。
全体の流れ(ざっくり)
銀行預金の相続手続きは、次の流れです。
- 死亡後すぐ:口座の凍結
- できるだけ早く:銀行への連絡
- 1〜2か月以内:相続人の確定
- 期限あり:相続放棄(3か月以内)
- 期限あり:相続税申告(10か月以内)
- 書類が揃い次第:解約・払戻し
順番に見ていきましょう。
【死亡後すぐ】銀行口座は凍結される
被相続人(亡くなった方)の死亡の事実を銀行が知った後、銀行口座は 原則として凍結 されます。銀行が死亡の事実を知る主なきっかけは以下です。
① 相続人・家族からの連絡(一番多い)
② 他の金融機関・相続手続き経由の情報
③ 銀行側が独自に把握するケース(まれ)
※ 2026年1月現在、公的機関から銀行への「直接通知」は基本的にはありません
凍結されるとどうなる?
- ATMで引き出せない
- 振込ができない
- 公共料金の引き落としも止まる場合あり
▶︎▶︎死亡の事実を銀行が把握した時点で凍結されます。
よくあるつまずきポイント
- 葬儀費用の支払いに使えない
- 家族が勝手に引き出すと トラブルの原因 になる
※ 葬儀費用などは仮払い制度 が使えるケースもありますが、銀行ごとに扱いが異なります。
【できるだけ早く】銀行へ死亡の連絡をする
いつまで?
明確な期限はありませんが、できるだけ早く(数日〜1週間以内) が目安です。
何をする?
- 死亡の事実を伝える
- 必要書類を確認する
この時点ではまだ…
- 相続人が確定していなくてもOK
- 書類が揃っていなくてもOK
▶︎▶︎「まず相談」 が大事です。
【1〜2か月以内】相続人を確定させる
銀行預金の相続では、誰が相続人なのか を正式に確定させる必要があります。
やること
- 亡くなられた方の出生から死亡まで連続する戸籍謄本の収集
多くの人がつまずくポイント
- 本籍地が転々としていて戸籍が多い
- 思わぬ相続人(前婚の子など)が判明
- きょうだい間で温度差が出る
【ワンポイント解説】戸籍は相続の手続きで必ず必要です。
以前は複数の役所を回る必要があり時間がかかりましたが、現在は「戸籍等の広域取得制度」を使えば、一箇所の市役所で複数の戸籍を請求でき、即日交付される場合もあります。手続きが進んでいる段階で戸籍の取り寄せで足止めされないよう、できるだけ早めに請求することをおすすめします。
【3か月以内】相続放棄をするか決める(期限あり)
期限
相続開始を知った日から3か月以内
なぜ重要?
銀行預金だけでなく、
- 借金
- 保証債務
も 相続の対象 だからです。
つまずきポイント
- 預金があると思っていたら借金の方が多かった
- 3か月を過ぎてしまい放棄できなくなった
▶︎▶︎迷う場合は、預金を引き出す前に必ず確認 を。
【10か月以内】相続税の申告・納税(該当者のみ)
期限
相続開始から10か月以内
ポイント
- 銀行預金の残高は相続税計算の対象
- 預金をまだ受け取っていなくても申告が必要
つまずきポイント
- 「まだ手続き中だから」と後回し
- 気づいたら期限ギリギリ
▶︎▶︎税金が関係しそうな場合は早めに税理士へ相談が安心です。
【書類が揃い次第】預金の解約・払戻し
銀行に提出する主な書類
- 戸籍謄本一式
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書(必要な場合)
- 銀行所定の書類
期間の目安
- 書類提出後1〜3週間程度 で入金されることが多い
銀行預金の相続で特につまずきやすい点まとめ
- 口座凍結を知らず慌てる
- 戸籍集めで時間がかかる
- 相続放棄の期限(3か月)
- きょうだい全員の同意が必要で進まない
- ネット銀行・ネット証券の存在を後から知る
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銀行預金の相続は、「難しそう」に見えて、段取りさえ分かれば一つずつ進められる手続きです。
ただし、期限があるものだけは別です。
この記事が、
「何から手をつければいいか分からない」
という状態から抜け出す最初の道しるべになれば幸いです。

