親が施設に 実家の片付け・管理/売却 完全ガイド

実家じまい

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はじめに

親が高齢で介護が必要になり、介護施設へ入居することになると、家族は安心する一方で新たな問題に直面します。
それまで親が住んでいた「実家をどうするか」という問題です。
家は、誰も住まないまま放置すると老朽化が進むうえ、防犯や防災上のリスクも高まります。
しかし、だからといって慌てて家を処分する必要はありません。
実家の片付け、売却、相続には適切な順番があります。

この記事では、親が施設に入った後に家族が考えるべき実家じまいの進め方を解説します。

親が施設に入ったら最初に確認すること

まず確認したいのは、親が今後自宅に戻る可能性があるかどうかです。

短期入所やリハビリ目的で施設に入った場合は、自宅へ戻る可能性があります。
一方で、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームへの長期入居であれば、自宅へ戻る可能性は低くなります。

また、親本人の判断能力が十分にあるかどうかも重要です。
家の売却や処分は原則として所有者本人の意思確認が必要になります。
認知症が進行している場合には、成年後見制度などの検討が必要になることもあります。


実家の片付けはすぐ始めるべき?

施設に入居した直後に実家を片付け始める必要はありません。
むしろ、入居後しばらくは親本人も家族も新しい生活環境や生活サイクルに慣れることが優先になります。
実家の片付けは長期戦になることが多いため、まずは目の前の課題を落ち着いて整理することが大切です。

親本人が施設生活に慣れる時間が必要

施設へ入居したばかりの頃は、親本人も大きな環境の変化に直面しています。

これまで住み慣れた自宅を離れ、

  • 新しい部屋での生活
  • 新しい人間関係
  • 新しい生活リズム

に適応しなければなりません。
入居直後は不安定になる方も少なくなく、
「やはり家に帰りたい」と話すこともあります。

そのため、施設生活が落ち着く前に実家を処分するかどうかを決めるのは慎重に考えた方がよいでしょう。

家族には施設入居時だけなく入居後の手続きがある

家族も入居が終わったから一安心というわけではありません。

  • 施設との契約内容の確認
  • 利用料の支払い手続き
  • 介護保険関係の手続き
  • 病院との連携
  • 緊急連絡先の調整

など、対応しなければならないことが続きます。
特に入居後1〜2か月は予想以上に慌ただしくなることが少なくありません。

家族間で役割分担を決める必要がある

親が施設へ入ると、誰が面会に行くのか、誰がお金の管理をするのか、誰が実家を管理するのかといった役割分担も必要になります。
兄弟姉妹がいる場合は、実家の片付けや将来の売却について考え方が異なることもあります。
こうした話し合いが十分にできていない段階で片付けを始めると、後々トラブルにつながることがあります。

まずは貴重品や重要書類の確認から始めよう

そのため、施設入居直後は家全体を片付けようとするのではなく、以下の重要書類や貴重品を確保することを優先しましょう。

  • 通帳
  • キャッシュカード
  • 保険証券
  • 権利証
  • 遺言書

実家の本格的な整理や売却の検討は、親本人と家族の生活が落ち着いてからでも遅くありません。

焦って片付けを始めると、
「必要な書類を捨ててしまった」
「親の思い出の品を勝手に処分してしまった」
という後悔につながることもあります。

まずは貴重品や重要書類の確認から始めましょう。

最優先で探しておきたいもの

実家の片付けを始める際には、以下のものを優先的に確認しておくことをおすすめします。

財産関係

  • 通帳
  • キャッシュカード
  • 証券口座の資料
  • 保険証券
  • 年金関係書類

不動産関係

  • 権利証(登記識別情報)
  • 固定資産税納税通知書
  • 不動産売買契約書

相続関係

  • 遺言書
  • エンディングノート
  • 家族信託契約書

これらは後から探そうとしても見つからないことが少なくありません。

実家の断捨離はどこから始める?

実家の片付けは、一気に終わらせようとしないことが大切です。
おすすめは次の順番です。

STEP1 重要書類の確保

まずは前述した重要書類を確保し、保管します。

STEP2 明らかな不要品の処分

壊れた家具や古い雑誌など、判断に迷わないものから処分します。

STEP3 仏壇や位牌をどうするか家族で話し合う

実家の片付けで多くの人が悩むのが仏壇の扱いです。

昔の一戸建てには大型の仏壇が置かれていることも多く、家を売却する際にはそのまま残すことができない場合があります。
一方で、仏壇は親の所有物であり、親が施設へ入居したからといって子どもが自由に処分できるものではありません。また、将来誰が引き継ぐのか、誰の自宅へ移設するのか、小型の仏壇へ買い替えるのかといった問題もあります。

子ども世代はマンションや戸建てでもスペースが限られていることが多く、大型仏壇をそのまま引き取ることが難しいケースも少なくありません。
そのため、実家の片付けを始めたら早い段階で、親本人の意向を確認しながら、仏壇を今後どのように管理していくかを家族で話し合っておくことが大切です。

▶︎▶︎お仏壇 墓じまいと一緒に考えたい◀︎◀︎

親の意思確認ができるうちに話し合っておきたい

親に判断能力がある場合は、

  • 仏壇を誰に引き継いでほしいか(希望はあるか)
  • 菩提寺との付き合いをどう考えているか
  • 将来的に仏壇じまいという選択肢を受け入れるつもりはあるか

などを確認しておきましょう。
こうした話し合いは後回しになりがちですが、親の意向を聞ける機会は限られています。

仏壇を引き継ぐ場合

家族の誰かが仏壇を引き継ぐ場合は、

  • 小型の仏壇へ買い替える
  • 位牌だけを引き取る
  • 手元供養を行う

といった方法があります。最近ではマンションにも置きやすいコンパクトな仏壇を選ぶ家庭も増えています。

お寺に相談する方法もある

菩提寺がある場合は、まずお寺に相談してみましょう。
仏壇を処分する際には「閉眼供養(魂抜き)」を行うことが一般的です。
供養後に仏壇を処分することで、気持ちの整理がつくという人も少なくありません。

仏壇じまいという選択肢

近年は「仏壇じまい」という言葉も広く知られるようになりました。
後継者がいない場合や住環境の変化により仏壇を維持できない場合には、閉眼供養・仏壇の処分・位牌や遺影の整理を行う家庭も増えています。

仏壇の処分方法や費用は地域や業者によって異なるため、早めに情報収集しておくと安心です。

▶︎▶︎お位牌を減らす・まとめるのはあり?◀︎◀︎

仏壇問題は後回しにしない

実家の片付けでは、「仏壇は最後に考えよう」となりがちです。

しかし実際には、家の売却・引越し・解体の直前になって慌てるケースが少なくありません。
仏壇の移設や供養には時間がかかることもあるため、実家じまいを考え始めた段階で家族と方向性を話し合っておくことをおすすめします。

STEP4 思い出の品を仕分ける

アルバムや手紙などは家族で相談しながら進めましょう。

STEP5 大型家具や家電を整理する

最後に大型家具や家電の処分を行います。

片付けを業者に依頼するという選択肢

遠方に住んでいる場合や、家財が大量にある場合は専門業者を利用する方法もあります。主な選択肢としては、不用品回収業者、生前整理業者、遺品整理業者があります。

特に生前整理業者は、施設入居後の実家整理に対応しているケースも多く、仕分けから搬出までまとめて依頼できます。

費用は家の広さや荷物量によって大きく異なりますが、事前に複数社から見積もりを取ることが重要です。

実家は売却する?しない?

親が戻らない場合、実家を売却する選択肢も出てきます。
空き家を維持するには、固定資産税、火災保険、修繕費、庭木管理のといった費用が発生します。
また、人が住まなくなると家の傷みも早くなります。

一方で、「親がまだ生きているのに家を処分できるのだろうか」「親は同意してくれるだろうか」という心理的な葛藤を抱える家族も少なくありません。

親が自宅へ戻る可能性が低い場合は、1年以内を目安に
 ・保有を続ける
 ・賃貸に出す
 ・売却する
などの方向性を決めておくとよいでしょう。

▶︎▶︎実家じまい 家の売却できない場合も!?◀︎◀︎

▶︎▶︎実家じまい「この家、売れないかも」と悩んだら(前編)◀︎◀︎

荷物が残ったままでも家は売れる?

売却を考える場合、家の中に家具や荷物が残ったままでも売却できるケースはあります。
特に不動産買取会社の場合は、残置物ごと買い取るサービスを行っていることもあります。
ただし、一般的な仲介売却では、引き渡しまでに荷物の撤去を求められることが多くなります。
荷物が多い場合は、「残置物のまま売却する」or「先に片付けてから売却する」どちらが有利か不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

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築50年以上の古い家でも売れる?

築年数が古い家でも売却できる可能性は十分あります。
ただし、買主が評価するのは建物ではなく土地であることがほとんどです。
そのため、以下のオプションを意識して情報収集し、比較するのが望ましいです。

  • 古家付き土地として売却する
  • 解体して更地で売却する

築50年以上だからといって諦める必要はありません。まずは査定を受けて市場価値を確認しましょう。

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相続が発生した場合はどうなる?

親が亡くなると、実家は相続財産になります。
この段階になると、

  • 誰が相続するのか
  • 売却するのか
  • 保有を続けるのか

を相続人全員で話し合う必要があります。
実家の整理や売却を進める前に、相続人同士で方針を共有しておくことが重要です。

まとめ

親が施設へ入った後の実家問題は、多くの家族が経験する課題です。

まずは重要書類や財産を確認し、親本人の意向を尊重しながら少しずつ整理を進めましょう。
そして、実家の片付け、売却、相続はそれぞれ別の問題ではなく、将来につながる一連の流れです。
一人で抱え込まず、必要に応じて専門家や専門業者の力も借りながら進めていきましょう。

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