50代になると、夫婦関係の変化や人生の見直しから「離婚」を考える人も少なくありません。
いわゆる「熟年離婚」です。
そのとき、多くの人が不安に思うのが
- 老後の生活費
- 自分の年金はどうなるのか
という問題です。
日本には、離婚後の生活を支える制度として「年金分割制度」があります。
この記事では、以下について解説します。
- 年金分割の仕組み
- 手続き期限と手続きの流れ
年金分割とは?離婚後の年金を分ける制度
年金分割とは、離婚したときに
婚姻期間中に支払った厚生年金の記録を夫婦で分ける制度です。
(「年金分割は、離婚した場合に、婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割する制度です。」
(参照法務省 年金分割 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00019.html))
つまり、結婚していた期間の年金は夫婦で共同で築いた財産
と考えられ、離婚時に分割することができます。
年金分割の対象になる年金
年金分割の対象になるのは
厚生年金(会社員・公務員の年金)です。
次のものは対象外です。
- 国民年金(基礎年金)
- 企業年金
- 個人年金
- 確定拠出年金
つまり、主に
会社員として働いていた配偶者の厚生年金が分割対象になります。
参照:離婚のカタチ(朝日新聞社)
https://rikon.asahi.com/article/504
年金分割には2つの方法がある
年金分割には、主に次の2種類があります。
① 合意分割
夫婦の話し合いまたは裁判所の判断で
年金の分け方(割合)を決める方法です。
割合は最大50%まで分割できます。
② 3号分割
専業主婦など、配偶者の扶養に入っていた人が対象です。
特徴
- 元配偶者の同意が不要
- 自分だけで請求できる
- 分割割合は 自動的に50%
となります。
年金分割の手続き期限
年金分割には手続き期限があります。
原則として離婚から2年以内
に手続きをしなければなりません。
この期限を過ぎると
年金分割の請求ができなくなる可能性があります。
そのため、離婚を考える場合は
早めに制度を理解しておくことが大切です。
50代からでも年金分割は間に合う?
離婚したのが50代であっても十分間に合います。
年金分割請求の期限は、次のいずれかの事由に該当した日の翌日から起算して2年以内です。
- 離婚をしたとき
- 婚姻の取り消しをしたとき
- 事実婚関係にある場合に国民年金第3号被保険者資格を喪失し、事実婚関係が解消したと認められるとき
離婚成立後2年間が経過すると年金分割請求ができなくなるため、早めに手続きを行いましょう。
- 55歳で離婚、56歳で手続き
でも問題ありません。
また、分割された年金は、自分が年金を受け取る年齢になったときに反映されます。
参照:離婚のカタチ(朝日新聞社)
https://rikon.asahi.com/article/504
年金分割で年金はいくら増える?
厚生労働省年金局が公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のp29の資料によると、
・合意分割(離婚分割)の場合で平均して月3万2734円
・3号分割の場合は、平均して月7238円
将来受け取れる厚生年金の額が増えています。
ただしこれは
・婚姻期間
・配偶者の年収
・厚生年金加入期間
によって大きく変わりますので、あくまでも参考値としておきましょう。
手続きの流れ
合意分割の基本的な流れは次のとおりです。
① 「年金分割のための情報通知書」を取得
② 分割割合を協議、決定する
③家庭裁判所に調停を申し立てる(年金分割に関する協議がまとまらないとき)
④訴訟または審判で年金分割の割合を決定(年金分割に関する協議がまとまらないとき)
③ 年金事務所で手続き
また、3号分割の基本的な流れは次の通りです。
① 離婚を成立させる
② 年金事務所に3号分割を請求する
年金分割の相談や手続きは、日本年金機構の年金事務所で行うことができます。
参照:
離婚のカタチ(朝日新聞社)
https://rikon.asahi.com/article/504
日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/
50代女性が離婚を考えるときのポイント
熟年離婚では、次の3つを確認しておくことが大切です。
① 年金分割
老後の収入に直接影響します。
将来の生活費に関わる重要な制度なので、
制度を理解しておくことが大切です。
② 財産分与
預金や不動産などの分配。
③ 退職金
退職金も財産分与の対象になる場合があります。
あわせて読みたい
・50代女性の貯金はいくら?調査データで見る老後に備える資産の考え方
・50代独身女性の場合、老後資金はいくら必要?一人暮らしの現実

