55歳男女の生活費と保有資産はどのくらい?

マネー

早期退職や定年退職を意識し始める日本の55歳の男女は、みんな毎月いくらくらい生活費を使っているのでしょう。
定年後、老後を意識する機会が出てくる50代半ば、自分の生活費や資産が同年代と比べて多いのか少ないのか、気になる人も多いのではないでしょうか。

「同年代の人は、どのくらいの貯蓄や資産を持っているのだろう?」

そこで今回は、東京で一人暮らしをする55歳の女性・男性をモデルに、1か月の平均的な生活費と保有している金融資産を試算しました。
(総務省の家計調査及び金融経済教育推進機構(J-FLEC)の最新データをもとに推計したものです)

55歳・東京一人暮らしの生活費は月25万円前後が目安

まず、生活費から見てみましょう。

総務省の家計調査によると、2023年の単身世帯では、35~59歳の1か月の消費支出は男性20万1,949円、女性18万2,527円でした。これは全国の単身世帯を対象とした数字です。

東京では住居費が全国平均より高くなるため、55歳の東京一人暮らしを考える場合、そのまま当てはめることはできません。

そこで今回は、

  • 東京23区を中心とした都市部
  • 55歳
  • 一人暮らし
  • 賃貸住宅
  • 自動車なし
  • 一般的な会社員を想定
  • 住宅ローンはない
  • 税金・社会保険料は「生活費」と別に扱う

という条件での試算としました。

55歳1か月の生活費

女性の場合

項目月額の試算
家賃85,000円
食費40,000円
水道・光熱費15,000円
通信費10,000円
日用品・家事用品6,000円
衣類・靴7,000円
保健医療8,000円
交通費15,000円
教養・娯楽20,000円
その他・交際費など35,000円
合計約24万1,000円

女性の場合、月24万円程度が一つの目安になりそうです。
もちろん、外食や旅行、美容、趣味などにどの程度お金を使うかによって大きく変わります。


男性の場合

男性についても同じ条件で考えてみます。

項目月額の試算
家賃85,000円
食費48,000円
水道・光熱費14,000円
通信費10,000円
日用品・家事用品6,000円
衣類・靴5,000円
保健医療7,000円
交通費17,000円
教養・娯楽22,000円
その他・交際費など35,000円
合計約24万9,000円

全国の35~59歳単身世帯では、男性20万1,949円、女性18万2,527円でした。東京での住居費を考慮すると、男女とも全国平均より5~7万円程度高い生活費になると考えられます。

55歳の生活費は「月25万円」程度?

今回の試算では、

55歳女性:約24万円

55歳男性:約25万円

となりました。

ただし、これはあくまで「生活費」です。
実際には、この他に所得税、住民税、社会保険料などがかかります。

また、50代になると、親の介護費用、家電の買い替え、冠婚葬祭、資格取得費用、医療費など毎月ではないものの、まとまった支出も発生しますし、旅行など余暇にかける費用も考慮したいところです。

そのため、「月25万円あれば十分」と考えるより、年間300万円程度の生活費+臨時支出を想定する方が現実的でしょう。

55歳の平均的な保有資産

次に気になるのが資産です。
ここでは「保有財産」を、まず金融資産として考えます。
金融資産とは、預貯金、株式、投資信託、債券、保険など、将来のために保有している金融商品などを指します。
一方、自宅や土地などの不動産は含みません。

J-FLECの2025年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50歳代の単身世帯の金融資産保有額は、
平均999万円
中央値120万円
でした。

この数字を見ると、「50代の一人暮らしなら、約1,000万円くらい貯めているのか」と思うかもしれません。
しかし、ここには大きな注意点があります。

「平均999万円」と「中央値120万円」の大きな差

50歳代単身世帯の金融資産は、

指標金額
平均値999万円
中央値120万円
金融資産を保有していない割合35.2%

となっています。

なぜ平均と中央値がこれほど違うのでしょうか。
理由は、金融資産を保有していない割合が35.2%いることからもわかるように、一部の人が非常に大きな金融資産を持っているからです。

例えば、3,000万円、5,000万円、1億円といった資産を持つ人が含まれると、平均値は大きく上昇します。
一方、中央値は、全員を資産額の順番に並べたときの真ん中です。
そのため、50代単身者の一般的な資産状況という目的なら、平均999万円だけを見るのは適切ではなさそうです。

「平均999万円」をどう考えるか

ここで注意したいのが、平均値と中央値の違いです。
50歳代の単身世帯では、金融資産の平均値が約999万円である一方、中央値は120万円です。

例えば、3,000万円、5,000万円、1億円といった大きな金融資産を持っている人が含まれると、その人たちによって平均値は大きく引き上げられます。
一方、中央値は、すべての人を資産額の順に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する人の金額です。

言い換えると、

  • 平均値999万円 → 50代単身世帯全体の金融資産規模を見る目安
  • 中央値120万円 → 資産額を順番に並べたときの「真ん中」の水準

と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、中央値120万円だからといって、「50代単身者の多くが120万円しか持っていない」という意味でもありません。

平均値と中央値に大きな差があることから、50代単身者の金融資産には非常に大きな個人差があることが分かります。したがって、999万円を「50代ならこれくらい持っているべき平均的な金額」と考えるのではなく、「資産状況はかなりばらついており、平均値だけでは実態をつかみにくい」と理解するのがよさそうです。

自分の資産額が平均を上回っているか下回っているかだけで、一喜一憂する必要はありません。

55歳から考えるなら「資産額」より毎月いくら必要か

55歳の時点で重要なのは、「同年代より何万円多く持っているか」という視点ではなく、「自分は毎月いくら必要なのか」を把握することです。

今回の東京一人暮らしの試算では、

55歳女性
生活費:約24万円/月 年間:約290万円

55歳男性
生活費:約25万円/月 年間:約300万円
となりました。

仮にこの生活水準が60歳以降も続くとすると、10年間で約3,000万円が必要になります。

そして、60歳以降は仕事を続けるのか、年金はいくら受け取れるのか、住居費がどうなるのかによって必要な資金は大きく変わります。

したがって、55歳からの資金計画では、「10年間で3,000万円必要」という単純な計算をするのではなく、収入と支出の差額を確認することが重要です。

55歳になったら一度確認したい「3つのお金」

50代半ばになったら、まず次の3つを確認してみましょう。

1.毎月の生活費

現在の生活費を12倍して、年間いくら使っているのか確認します。
今回の東京一人暮らしなら、年間約300万円が一つの目安になります。

2.金融資産

  • 銀行預金
  • 株式
  • 投資信託
  • NISA
  • 個人年金
  • 貯蓄性保険
  • その他の金融商品

なども含めて整理します。

3.将来の年金

「ねんきんネット」などで、65歳以降に受け取れる年金額を確認します。
例えば、毎月25万円の生活費が必要で、年金の手取りが月15万円なら、毎月10万円を資産から補う必要があります。年間では120万円です。10年間なら1,200万円。

このように考えると、「老後にいくら必要なのか」が少し具体的になります。

データ出典

  • 総務省統計局「家計調査(家計収支編)」
  • 総務省統計局「日本の統計2025」
  • 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
  • 東京都「都民のくらしむき(東京都生計分析調査)令和7年」
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