筆者についてペンネーム
よっちゃん。54歳、神奈川在住のおっさん会社員。6年前に母を亡くし、南房総で一人暮らしをする90歳間近の父を気遣う毎日。介護生活で起きるあれこれを書きます。毎週月曜日更新予定。
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【只今、絶賛介護中!】⑪どうしても外に出たい!
やっと見つけたキャッシュカードは有効期限切れ
父の施設入居ももう少しで2ヶ月。父本人も、送り出した兄や私もずいぶん慣れてきた。
先日の豪雨の影響で水浸しになった実家は、その後の台風の影響ももろに受け、1階も2階も水浸し。
仏壇を救済することは難しそうだが、母と祖母の位牌と写真を救出して、父のもとに届けることにした。
実家の仏壇は仏壇設置専用の小さな床間のようなスペースに設置されている。
30cmくらいある台の上に設置されていて、
仏壇自体の高さが150−160cmくらい。
つまり床からの高さは2m近い立派な代物だが、水浸しの部屋の中で湿気を吸ってしまっている。
仏壇の扉は開けられたままになっていたので
すぐに目的の位牌は目に入った。
位牌や遺影が身近にあれば、少しは父の気持ちの揺れが少なくなるかもしれない。
いや、そうなってほしい。
私は、あまり仏壇に近づいたことがなかったため、今回初めて気付いたのだが、
よくよくみると、小さな引き出しがいくつもついている。
何気なく、引き出しの一つを開けた。
お経の本のようなものと数珠が目に入った。
そして、黒い印鑑ケースが2つ。
「!!」
まさかと思い、隣の引き出しも開けてみた。
「!!!」
キャッシュカードが数枚、目に飛び込んできた。
ついに見つけた。
亡くなった母名義のキャッシュカード1枚と父名義のキャッシュカード2枚。
キャッシュカードと印鑑を掴み、
位牌と写真も忘れずに持った。
家を離れる前に、兄にLINEで報告。
”キャッシュカードと印鑑、見つかったよ。仏壇の引き出しに入ってた”
”仏壇の引き出しか。開けたことなかったな。そんなところ、よく開けようと思ったな”
”すごいだろ。なんとなく、引き出しが目に入って開けてみたら、中に入ってたんだ。”
”暗証番号わかるか?俺、わからないけど。”
”兄さんもわからないの?俺もわからないよ”
”以前、父さんが暗証番号を書いた紙を見せれくれたよな。あれ、どこにしまってるんだろうな。”
”ああ・・・・・確かに、紙を見せてもらったよな。どこだろうな。ついでに探すか”
”金庫じゃないか?”
実家には、昔から金庫がある。鍵が壊れて解錠したままの金庫なので、実質金庫の役割は果たしていないが、父の部屋に鎮座している。
湿った家の階段をそっと2階に上がる。
2階の廊下の床が抜けているところを避けながら、父の部屋へ。
そして、金庫の扉をそっと開ける。
家の権利書、以前リフォームした際の契約書、お悔やみブック。
金庫の中にはないようだ。
ふと、金庫の横にある父の机の上に目を移した。
いろいろな書類が置かれている書類箱が置かれている。
書類が積まれている一番上に、無防備にも、暗証番号一覧の紙がむき出しで鎮座していた。
”あったよ、兄さん!暗証番号を書いた紙見つけたよ”
”見つかったか。これでこれからの支払い、なんとかなりそうだな。”
”そうだね。安心したところで、この後、父さんに位牌を届けてくるよ。”
”ああ、悪いな。頼むよ。”
実家の窓と鍵を閉め、車で施設に移動する。
道中、銀行のATMが目に入った。
使えるかな?あわよくばお金をおろせるかななどと考えながら、車を止めた。
ATMの建物の中に入り、カードを挿入。
”このカードは使えません”
と表示が出た。
”なぬ!? 使えないだと?”
よく見ると、キャッシュカードの有効期限が切れている。
あれ? キャッシュカードって有効期限ってあったっけ?
クレジットカードならともかくキャッシュカードの更新なんてあったっけ?
軽くパニックになった。
車に戻って、改めてカードをよくみた。
キャッシュカードにVISAデビッドがついている。その影響で有効期限が設定されているようだ。
有効期限は2026年8月。
兄が更新カードを受け取っていれば、支払い困ったねといったこれまでの会話にはなっていないはずだ。
”兄さん、見つけたキャッシュカードが有効期限切れなんだけど、新しいカードの心当たりなんてないよね?”
”有効期限なんてあるの?更新カードなんて俺が実家にいた時には送られてきた認識ないけど”
”・・・だよな。父さんに聞いてみるわ。”
施設に到着。
「父さん、仏壇の引き出しでキャッシュカードを見つけたんだけど、期限切れなんだ。新しいカードは受け取った覚えある?」
「どうしたかな・・・ 受け取ったのかな。銀行に聞いてみてくれ。」
「そうだよな。銀行に聞いてくるわ。それから、位牌と母さんの遺影を持ってきたから置いていくね。」
「悪いな。」
悪いな。そんな言葉が父の口からすんなり出てくるようになったことに少し驚きつつ、帰路についた。
翌日、銀行の問い合わせ窓口に電話で問い合わせた。
「現状、どのような状況か、お渡し済みかお渡ししていないかについて、ご本人様にしかお伝えできません。
ご本人様は施設に入居されているとのことですが、お電話口でご本人様の本人確認と意思確認ができれば、ご本人様とご家族の方に状況をお伝えすることは可能です」
(つづく)
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