【心の相談室】 小さな喜びを分かち合える相手がほしい(50代男性)

心の相談室

今回のお悩み

56歳、会社員の男性です。

これまでの人生で、女性とのご縁に恵まれないまま、この年齢になりました。

私は決して社交的なタイプではなく、気が利く方でもありません。職場も男性ばかりで、日常生活の中で女性と接する機会はほとんどありません。また、収入も決して高いとは言えず、今から結婚につながるような出会いを期待するのは現実的ではないとも感じています。

もちろん一人の生活にも慣れましたが、季節の景色や美味しい食事、テレビで見た面白い出来事など、「ちょっと聞いてほしい」「一緒に笑いたい」と思う瞬間があります。

そんな何気ない日常を共有できる相手がいないことに、最近は寂しさを感じるようになりました。

私のような境遇の人は少なくないと思いますが、皆さんはどのように暮らしているのでしょうか。
今からでも、孤独を和らげる方法はあるのでしょうか。

回答

ご相談ありがとうございます。

まずお伝えしたいのは、あなたが感じている寂しさは、とても自然な感情だということです。

50代を過ぎると、仕事中心だった人生にも少しずつ変化が訪れます。独身の方であればなおさら、「誰かと日常を共有したい」という気持ちが強くなることは珍しくありません。

そして、その気持ちは決して「結婚したい」ということだけではないのです。

実際、多くの人が求めているのは、

「今日こんなことがあった」
「この景色がきれいだった」
「このお店、美味しかった」

そんな何気ない出来事を分かち合える相手なのではないでしょうか。

「結婚できるかどうか」だけで考えない

ご相談文の中で印象的だったのは、

「結婚につながる出会いは難しいと思っています」

という一文です。

確かに、56歳から結婚相手を探すことは簡単ではないかもしれません。

しかし、人とのつながりは「結婚」だけではありません。

最近では、一人暮らしの50代・60代の方が増えています。あなただけではありません。

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だからこそ、

  • 趣味の仲間
  • 地域の知り合い
  • よく行く喫茶店やご飯屋さんの常連同士
  • ボランティア活動で知り合った人

など、恋愛とは違う人間関係を大切にしている人も少なくありません。

人生の満足度は、「配偶者がいるかどうか」だけでは決まらないのです。

人とのつながりは、小さな会話から始まる

「人間関係を作ろう」と意気込むと、とても難しく感じます。

でも実際には、人との縁は驚くほど小さなきっかけから始まります。

例えば、犬を飼い始めた人が、毎日の散歩で顔見知りができ、「今日は暑いですね」「この子は何歳ですか」といった短い会話を交わすようになることがあります。

最初は挨拶だけだった相手と、季節の話をしたり、おすすめの散歩コースを教え合ったりするうちに、自然なつながりが生まれていきます。

それは親友でも恋人でもありません。

それでも、「今日は誰とも話さなかった」という一日と、「数分でも誰かと笑って話した」という一日では、心の満たされ方がずいぶん違います。

もちろん、ペットを飼うことは命を預かる責任が伴いますので、「寂しいから」という理由だけで安易に決めるべきではありません。

しかし、もし以前から動物が好きで、最後まで責任を持って育てられる環境があるなら、暮らしに大きな喜びをもたらしてくれる存在になるでしょう。

また、ペットを飼わなくても、公園を散歩する習慣を持ったり、地域イベントや図書館の講座、スポーツジム、写真教室などに参加したことをきっかけに、自然と会話が増えたという人もたくさんいます。

「気が利かない性格」は、大きな問題ではない

あなたは「自分は気が利く方ではない」と書かれていました。

ですが、人は必ずしも、話し上手や気配り上手な人ばかりを求めているわけではありません。

安心して話せる人。

無理をしない人。

約束を守る人。

相手の話を最後まで聞いてくれる人。

そうした誠実さの方が、年齢を重ねるほど大切にされることも多いのです。

人付き合いは、面白い話をすることより、「また会いたい」と思ってもらえる安心感の方が、長続きすることがあります。

人生は、まだ十分に新しい出会いを育てられる

56歳という年齢を「もう遅い」と考える人もいるかもしれません。

しかし、人生100年時代と言われる今、56歳はまだ折り返し地点に近い年代です。

これから先、20年、30年という時間があります。

その時間を一人で過ごすのか、小さなつながりを少しずつ増やしながら過ごすのかで、毎日の景色は変わってきます。

「誰か一人、人生を変えてくれる人」と出会おうとすると難しく感じますが、「挨拶を交わせる人を一人増やそう」「月に一度話せる知人ができたら十分」と考えると、少し肩の力が抜けるのではないでしょうか。

孤独は、人が弱いから感じるものではありません。

人は誰でも、誰かとつながって生きたい生き物だからです。

結婚だけが幸せの形ではありません。

日常の出来事を「今日はこんなことがあった」と話せる相手が少しずつ増えていくことも、人生を豊かにしてくれる大切な財産です。

焦らず、小さな一歩から始めてみてください。

その一歩が、あなたの毎日に思いがけない温かいつながりを運んできてくれるかもしれません。

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