筆者について
ペンネーム よっちゃん。54歳、神奈川在住のおっさん会社員。6年前に母を亡くし、南房総で一人暮らしをする90歳間近の父を気遣う毎日。介護生活で起きるあれこれを書きます。毎週月曜日更新予定。
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【只今、絶賛介護中!】⑩外に出たい!
どうしても外に出て自由にしたいのです。(1人では歩けないし、会話も不自由ですが)
ぽんぽろぽろん(電話)・・・🎵
「よっちゃん?俺だけど」 兄からだった。
少し間を置いて兄は話し出した。
「まずいことになったんだ」
「何?」
「父さんが行方不明になった。」
「どういうこと?施設からは勝手には出れない仕組みになってるだろ」
咄嗟に理解ができず頭が真っ白になった。
「今日秋冬物の洋服を届けに施設に来たんだけど、父さんが「外に行きたい」っていうから、、、、
施設の許可をとって、車椅子で施設の外に散歩に連れ出したんだ。
近くのドラッグストアまでだからほんの2、3分の距離な。」
「ほう。」
「途中、ちょっと目を離したすきに、車椅子ごといなくなった」
「なんだよそれ。兄さん、車椅子押してたんだろ?どうして見失うの?」
「いや、、、ちょっと、スマホに、、、、知り合いからチャットに連絡が来てて・・・。
目の端に、車椅子が移動していくのが見えた気がしたんだけど、どうせ遠くには行けないだろうと思って・・・」
「兄さん、施設には連絡した? 探すの応援いるだろ?」
「ああ、さっき電話した。スタッフの人が来てくれるらしい。」
「車椅子の移動範囲なんてたかが知れてるだろ。俺が遠隔で手伝えることがあったら言ってくれ。何か変化があったらまた連絡して。」
「遠隔か。父さん、スマホを部屋に置いてきたから、GPSで追えないんだよな。
施設の人とうまく会えない場合とか、連絡取りたくなった時に連絡係をお願いするよ。」
「わかった。」
約1時間が経過・・・・
ぽんぽろぽろん(電話)・・・🎵
「よっちゃん?父さんが◯◯の交番に保護されていることがわかったよ。
今からお巡りさんが連れてきてくれるらしい。」と兄。
「ああ、見つかったか。よかった。無事なん?」
「◯◯の交番って随分遠くで見つかったんだな」
「無事らしい。国道沿いの狭い歩道を車椅子で移動していて、パトロール中のお巡りさんに保護された。」
父は呂律が回らない上に、思考が定まらないようで会話が難しく、
さらに、自分が入居している施設の名前を知らないため、どこからきたのかを説明ができず、
お巡りさんの方で連絡先を調べるのに時間がかかったようだ。
30分後、無事に施設まで送り届けられた父。
お巡りさんによると、国道沿いの歩道の溝に車椅子の車輪がはまって動かせなくなっていたところを保護されたらしい。父は名前はかろうじて話したものの、名前以外がわからず手掛かりを探していたところ、車椅子に貼られている施設名のシールを見て、施設まで連絡してくれたらしい。
「付き添いしたとしても迷子札は持たせないといけないな。俺、甘くみてたよ。」と猛省する兄。
施設からは、外出の際には名前と入居施設と連絡先を書いた名札のようなもの(私と兄の間では迷子札と呼んでいる)を持たせるように言われていたが、父が嫌がったらしく、兄は強要できなかったらしい。
さらに兄はとにかく自分の興味があること以外は全く大雑把。
今回の場合、興味の全てをチャットに持って行かれていたのだろう。
おっさんというものは、いろいろと行き届かないものだと実感。
「いつも建物の中にいると息が詰まるんだよ。腰も痛いし。家に帰りたかったんだ。」
正確に聞き取れたわけではないが、父はそういう趣旨のことを話した。
父の気持ちは理解してあげたいと思うものの、先日の豪雨で、今は住める家はない。
でも父の「家」に対する強い気持ちはよく伝わってきた。
そういう前提で、父を連れての外出は、極力兄と私が揃って連れ出すようにしよう。
と思った、夏の終わりの1日でした。
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